稀少なカスタム・オーダーモデル、Martin HD-28 Customの入荷です。
本器は1992年にカスタムオーダーされた稀少モデルで、ヘリンボーン・バインディングのHD-28スタイルですが、ノンスキャロップドXブレイシング、ラージサウンドホール、ノンポジションマーク仕様の、『クラレンス・ホワイト・スタイル』で仕上げられたカスタム・オーダーモデルです。クラレンス氏は10代の頃に所有していたD-28のサウンドホールの欠けた事で、後にラージサウンドホールと呼ばれ彼と共に伝説となり、Marti社からはD-28CWなどのクラレンス・ホワイトのシグネイチャーモデルが誕生しました。
ヘッドにはオールドスタイル・デカールロゴ、オリジナル・ペグ、マホガニー１ピースネック、スクエア・ロッド（オプション）、エボニー指板＆ブリッジ、指板のポジションマークは通常はドット・インレイですがクラシカルにポジション・インレイは有りません（指板サイドにはスモールドットのマークは有ります）。またクラレンス・ホワイト・モデルでも知られるラージサウンドホール仕様で通常はホール直径が約100mm程度ですが、本ギターはホール直径約110mmで製作されております。トップはスプルース単板、サイド＆バックには質感の良い良質なインディアン・ローズウッド単板が使用され、ヘリンボーン・バインディングにブラック・ピックガードの逸品です。
サウンドは、本来HD-28はスキャロップ仕様ですが、本ギターはD-28同様のノンスキャロップドXブレイシングとラージサウンドホール仕様でカスタムオーダーされ、広がりのある豊かな音量に箱鳴りする野太い低域とレスポンスの良い音抜けする中域に煌びやかで倍音豊かな高音域の残響が心地良く響き、軽く爪弾いても奥行きのある深い鳴りも魅力で、ジャンルを選ばずご使用が可能です。ブレインシングをノンスキャリップにするなどクラレンス・ホワイト氏の熱狂的なファンがカスタムオーダーされたのだと推測します。
状態は使用感も少なくトップの日焼けは年代相応ですが、トップ板には塗装上の軽微な打コンが所々盛られますが光に翳して分るぐらいで目立つ酷いダメージは見受けられません。サイド＆バックも軽微な擦り傷ぐらいで年代を考えれば大変綺麗なコンディションを保った極上品です。ネック裏やヘッド裏も小く軽微な打コンは見られますが演奏で気になるようなダメージでは有りません。その他は一度ピックアップの取り付けがありエンドピンがリプレイス用ウッドピンに交換されております。
弦長645.2mm、ナット幅約43mm、弦高は12F6弦約2.5mm、1弦約1.8mm、サドルの余裕も約2mm有り微調整も可能で、フレットも殆ど減っておらず9分目程度は残っており、元起や反りも見受けられずネックを含めプレイヤビリティも良好です。
オリジナルハードケースも付属しておりますが、ケースエンドに割れが見られブラックテープで補修されていますが、持ち運びや保管には問題ありません。稀少なカスタム・オーダーモデルとしては価格も手頃でお買得なHD-28CWタイプを是非この機会にご検討を頂ければ幸いです。